たとえどんなに。
ぱしられた私は陽菜のもとに向かった。

「せんぱーい。」

明るい笑顔を向けて私に手を振る陽菜
 
そんな陽菜も私の敵でしかない。

私を裏切った一人なのだから。

私は許さない。

また。

私の中で黒い感情が渦巻く。

なんで?

なんで私は傷ついてるのに。

なんで傷つけたのに笑ってられるの

なんで傷つけたくせに幸せそうなの

許せない・・・

黒い黒い私。

大っきらい。

こんな私が大嫌い。

それでも私は強くなったんだよ。

にこっ

そう笑って陽菜に手を振り返すことができる

こんな黒い感情に負けたりしない。

「いこっかぁー」

「はいっ」

他愛ない話で盛り上がって。

笑いあって。

上辺だけかもしれない。

でも、これで私は誰も傷つけない。

私だけが傷つけばいい。

ほかの人が傷つけないで。

私はもう、傷つけたくない。
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