たとえどんなに。
のちの試合に影響が出るから・・・

なんて言い訳をつけて。

私が折れる。

そして、笑う。

笑えばすべてが丸く収まるから。

だれにも迷惑かけないから。

私さえ我慢して笑えば。

みんなも安心するんでしょ。

部活のみんなは私のことを

バド部の裏番

そう呼ぶことを知っている。

琴が部長。萌李が副部長。

私には何もない。

別に琴や萌李のように強いわけじゃない。

でも、部をまとめているのは私。

琴と萌李の喧嘩を止めれるのも私だけ

みんな、都合のいい時だけ私に頼る

「亜夢先輩。

 琴先輩と萌李先輩が喧嘩して。」

そう、私のもとに呼びに来る後輩の決まった言葉

そんな言葉に飽き飽きする。

私は喧嘩を止める役。

私にだけできる役。

でも、別にそんなことがしたいんじゃない

だってどんだけ私が頑張っても

またすぐに喧嘩するじゃない

私がどれだけ頑張ってるかもしらないで

喧嘩して。

私の苦労を無駄にするんじゃない。

そして、裏切る。
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