たとえどんなに。

彼氏

『会いたい』

カズ先輩からのメールが来て一週間。

全国大会を終え、

私の気持ちは少し軽くなっていた。

『わかりました。

 会いましょ?』

そう、カズ先輩に返信をした。

『今日の5時、この前の公園』

淡々としたカズ先輩の文章。

5時まであと30分。

私は急いで支度にとりかかった。

30分後

準備を終えた私は公園のベンチに座り

カズ先輩を待っていた。

ふわっ

後ろからカズ先輩の匂いがしたかと思うと

私は先輩の腕の中にいた。

「試合、お疲れ様」

優しい笑みと温かい言葉が

頭上からふってきた。

「はい」

ドキドキうるさい私の心臓。

自分でもわかるほど赤い顔を隠そうと

私はうつむく



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