たとえどんなに。
私・・・

カズ先輩のこと好きなのかな

私が公園の入口に視線を注ぐと、

カズ先輩は私を抱きしめる手を強めた。

それから、1時間ほどたわいない話を

ベンチに座って話した。

「校長のかつらが、式で落ちた」

とか

「友達のテストの点数が最低記録を

 塗り替える5点だった。」

とか。

そんな何気ない日常の様子を語りあった

日が沈み

あたりが暗くなり始めたころ

私は先輩に声をかけた。

「先輩、そろそろ帰りませんか?」

「・・・そうだね。

 もう暗いしね・・・」

渋い顔をして私に顔を向ける。

立ち上がった私に先輩が声をかけた

「亜夢。おいで」

そう甘い声で私に向けて手を広がる。

一歩近づいた私の手をひく

私は倒れこむ形で

カズ先輩の胸に飛び込んだ

カズ先輩は私を強く抱きしめた
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