たとえどんなに。
「やめようよ。」

何度も聞く私にみんなは聞く耳を持たず

楽しそうに笑う。

なぜ、人が死ぬ映画を人は作るのか

理解できない。

私たちの前の席に座る男子。

映画中、私を何度も見る。

泣きそうな・・・

いや、泣いていた私は美也にしがみつく

苦笑を見せる男子と

私を冷たくあしらう美也。

みんな酷。

映画が終わってもなお涙の止まらない私を

誰も慰めてはくれない。

美也もへんまも酷。

ホラー見るのを許す代わりに

泣いたら慰める約束だったのに。

二人とも酷すぎる。

まなぶんは何も知らぬ顔で

映画館の隣の店で

一人買い物をしていた。
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