たとえどんなに。
雪の降る季節になった。

登校途中の通学路。

「ねえ、亜夢。

 これだけ雪積もってるんだから・・・」

輝いた子供みたいな目を見ただけで

美也の言いたいことは大体分かる。

「雪合戦しよう。」

ほら。

私は美也の隣で軽く相槌を打つ。

白い息を吐きながら

雪を楽しそうに集める美也。

そんな私の大好きな美也の輝いた笑顔をみたら

いやだなんていえないよ。

「椿と佑馬誘ってやろ。」

そう言って手に持った雪玉を

私にぶつけてくる。

「なんであいつら?」

「だって佑馬、亜夢のこと好きそうじゃん。」

当たり前。

そんな顔で答えてくる美也に

私は面食らった。

「彼女いるじゃーん。」

そう言って笑い飛ばす。

そうでもしないと思い出しちゃう。

私の嫌いな8月13日。
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