たとえどんなに。
似たような光景が頭に浮かぶ。

「いいでしょ、亜夢?」

そうたずねてくる可愛い美也の顔

「うん、もちろん」

美也に無理やり笑顔を見せることで

トラウマを消し去った。

美也と笑って学校に行き、

春と美也と私で過ごす。

楽しくもない会話で無理やり笑って

萌李とも他愛ない話で盛り上がって

上辺だけで笑いあって。

実に変わらないいつもの生活。

萌李ももう悲しそうな顔を見せることはない。

だって私は靖をあきらめたのだから。

表面上。

掃除ですれ違うへんまに笑顔見せて

昼休みに会うへんきと挨拶交わして。

あまり変わらないいつもの日常。

変わったのは・・・

いや、変わる途中なのは私の心だけ。

誰にも話せない心だけ。
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