たとえどんなに。
疲れてへとへとになって本館に帰ると

薔薇さんが鍋を差し入れに持ってきてくれた。

雪合戦に参加しなかった人たちも加わり

次はみんなで鍋パーティー。

冷蔵庫にあった炭酸を思いっきりふって

梢に渡す。

何も知らない梢はコップに注ごうと開けた。

私のふった炭酸は音を立ててあふれ出た。

一人雨に打たれたように濡れた梢と

それを見て爆笑するまわり。

あったかいこの場所が好きだ。

ここが私の居場所。

そんな大好きな居場所の大好きな梢に報告

私のせいでびしょぬれになった梢は

怒ったままお風呂に向かい、

お風呂から無言で出てくる。

ソファーに座ったと思うと

無言で本を読み始めた。

周りのみんながシーンとして

私を睨む。

私のせいだね。わかりました。
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