たとえどんなに。
どうせ、言わないといけないこともあったし

そう切り替えて私は梢に声をかける。

「ねえ、梢。

 話したいことがある。」

本に目を落としながらも

「いいよ。」

そう私の会話をつなげてくれる。

そんな梢が大大大好き。

梢を連れて個室に戻る。

薔薇さんの趣味でピンクにそろえられた部屋

私はベッドに腰掛け

梢は椅子に座った。

「あのさ・・・

 好きってなんだろ。」

彼氏なんて存在なんてたくさんいたのに

いまさら聞くなんて呆れてるかな。

本に落していた視線を私に向けた。

「好きって感情は好きってことでしょ。」

さも当たり前のように答える梢の回答に

私の頭は?マークでいっぱいになる。

「好きってなんだろう。

 そう感じたら好きなんじゃない?」

お姉さんの顔で私に語りかける梢。

さすが恋愛の先輩だな。

< 91 / 172 >

この作品をシェア

pagetop