たとえどんなに。
わかってるよ、知ってるよ。

わかってたけど・・・

淡い期待を抱いて、

今回なら。

そう思う私のことをあなたは笑うでしょう。

男子の輪に戻って

私のことを見て笑う彼ら。

聞こえてくるうざい、きもい

悪意ある暴言。

カラン

音を立てて袋はゴミ箱に吸い寄せられる

周りは笑う。

まるであの時と同じ光景。

「うっ・・・」

大量の涙が流れる。

誰もいない体育館で私は

一人泣き崩れた。

靖たちの通り過ぎたゴミ箱の

一番上に靖に渡るはずだった袋。

それをかばんに戻し

私は体育館を去った。

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