たとえどんなに。
少し寒い風に揺られ

ハンモックが私たちを載せて揺れる。

私は梢に今日のことを伝える。

「別に付き合いたいわけじゃないの。

 私は陽菜も大切だし、

 へんまも同じぐらい大切。

 まだ自分の気持ち分からないから

 へんまのこと傷つけちゃう・・・

 でも、応えたいって思う・・・」

でも、応えるということは陽菜を裏切る。

私がされたことを別に人に。

そういう無限ループは終わらない。

誰かが我慢して、耐えない限り

復讐という名の悪魔は誰かの取り付く。

少し前の私なら

『ざまあみろ』

そう言って笑ったのかな。

悪魔に負けて、汚い感情を露にしてたのかな

でも今は違う・・・

他人の幸せを願いたい。

「そっか。」

そう言って優しく私の頭をなでる梢

「亜夢の愛し方は
 
 好きな人の幸せを願うことなんだね。」

目を細め微笑んで笑った。
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