【完】好きになれよ、俺のこと。
「おいおい、なんでそんなに暗い顔してんの?」
合わせた机の向かい側に座る柊くんが、困ったように笑ってる。
心配まで掛けちゃって。
あぁ……柊くんに申し訳ないよぉ……。
「ごめんね、柊くん好きな人いるのに、私なんかと同じ係で……」
「えっ? 何それ」
訳が分からないというように、目を丸くする柊くん。
「だって、私、柊くんの恋応援したいのに……」
「…ははっ」
柊くんってば、私が申し訳なくて縮こまってるのに、なんで吹き出してるのー!
「陽向ちゃんって、本当鈍感だよなぁ」
「ん? 何か言った?」
「なんでもねぇ!
それよりさ、俺の恋応援してくれんの?」
「うん! もちろん!」
微力だけど、お友達の恋を応援しないわけにはいかないもん!
飛鳥陽向。
全身全霊をかけて、応援するよ!