【完】好きになれよ、俺のこと。
……そういえば。
安堂くんは甘いものが苦手だったっけ。
「甘くないものを何か作りたいんだけど、どうかな?」
「甘くないもの?」
「コーヒーゼリーを作りたい…!
甘いものが苦手な人のために」
だって、安堂くんに来てほしいって思っちゃったんだ。
私が作ったもの、食べてほしい。
「でも、レシピないよ?」
「私がちゃんと調べて、全部責任持つから……。
ダメかな?」
顔の前で手を合わせ、必死な顔でお願いをする。
そして恐る恐る目を開けると、柊くんは優しい笑顔で笑っていた。
「ダメなわけないよ。
陽向ちゃんがやりたいことに、俺が反対する理由なんてない」
「柊くん……」