【完】好きになれよ、俺のこと。


「本当だったら、俺が手伝うって言ってやりたいんだけどさ、不器用だからあんまり力になれないかもしれないけど」




「ありがとう、柊くん……っ!」




思わずバッと頭を下げる私。




嬉しい……っ。




顔をあげると、柊くんは机に頬杖をついて、穏やかな笑顔を浮かべていた。




その瞳は温かくて、優しくて。




「陽向ちゃんにとっては初めての行事だから、陽向ちゃんにとって最高の思い出を作ってやりたいって思ってたんだ」




柊くん……。




入学が遅れてしまった私は、入学式や合唱コンクールに出られなかったんだ。




そのことをずっと、どこか寂しく感じていたから、柊くんのその気持ちが余計に嬉しくて。




本当、柊くんの優しさには何度も救われちゃうな。




だからこそ、柊くんに迷惑は掛けたくない。




よーし!


頑張って、美味しいコーヒーゼリーを作るぞー!




そう誓って、心の中で大きくガッツポーズをした。



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