【完】好きになれよ、俺のこと。
「んー! 楽しみだぁー!
陽向も、楽しもうね!!」
「うん!」
柊くんも最高の思い出にしてあげたいって、言ってくれた。
2人がそうやって言ってくれてるんだから、私が楽しまなきゃだよね!
隣で拳を突き上げるなっちゃんに合わせて、私もおーっ!と手を挙げた時。
「あ、ひなちゃん!」
前方から聞こえてきた声に、心臓がドキンッ…と反応を示す。
この声は、安堂くんだ。
見れば、女の子達の輪をかいくぐって、安堂くんがこちらへと走ってくる。
なんだか、久しぶりに会った気がするよ。
学園祭の準備は、クラスごとでやるから、なかなか会えなかったんだ……。