【完】好きになれよ、俺のこと。
「さんきゅ。
じゃあ…まず、友達なんだし連絡先交換しよ?」
「は、はい…!」
ポケットから、つい最近買ったばかりの携帯を取り出す。
ずっと使っていた携帯は、事故の時に壊れちゃったんだ。
赤外線が完了すると、安堂くんがふっと笑った。
「ん。
どんなことでもいいから、メールとかしろよ?」
「はい……っ」
そう答えた時、チャイムが鳴った。
午後の授業開始の予鈴だ。
「そろそろ戻らなきゃですね」
そう言って立ち上がった私の手を、しゃがみ込んだままの安堂くんが握った。
「……っ?////」
ななっ……!?
なんで安堂くんに手を握られてるの……!?
いきなりのことに、心臓が跳ね上がり、身体がかちこちに固まる。