【完】好きになれよ、俺のこと。
うひゃあ…!
ドキドキしすぎて、噛んじゃったし、なぜか敬語になっちゃったけど……
嬉しいよ……っ。
「じゃあ放課後、迎え行くから」
顔を離しつつそう囁いて、クスッと微笑んだかと思うと、安堂くんはクラスの方に戻って行ってしまった。
ぽーっと立ち尽くしたまま、安堂くんの後ろ姿を見つめる私。
「……なた! 陽向ー?」
突然耳に届いたなっちゃんの声に、思わずはっとする。
「わっ!」
「陽向ったら、安堂くんに見とれすぎー!」
えっ、私ってば見とれてた?
そういえば、まだ心臓がざわついてる。
私……どうしちゃったんだろう。
最近、安堂くんにドキドキしっぱなしだ……。
この気持ちは、一体なんなの……?