【完】好きになれよ、俺のこと。
「で、花火見る前に告って…、花火見ながら、こうしたいって思ってる…」
「え……?」
隣に立つ柊くんの方に顔を向けた。
すると、柊くんが大人っぽい微笑みを浮かべた。
───と、次の瞬間。
私はなぜか柊くんの腕の中にいた。
「…!?」
な、な、なに!?
何が起こってるの……っ!?
私……っ、抱きしめられてる……!?
「明日の練習させて…?」
パニック状態の私の耳に届いた、柊くんの声で、少しだけ冷静さを取り戻す。
あ、あぁ……!
明日の練習か!
もう……びっくりしたぁ……!
心臓がおかしくなっちゃいそうだけど、練習なら付き合ってあげないと、だよね……?