【完】好きになれよ、俺のこと。
「……全部、俺のもんになればいいのに……」
「……え?」
あまりにも小さな安堂くんの声を聞き取れず、聞き直そうとした時。
カプッ…
「ひゃ、ひゃあっ!」
ななな、なに……!?
今……、み、耳を甘噛みされた……っ!?
パニックになって、気が動転している私をよそに、安堂くんはゆっくりと身体を離した。
後ろを振り返ると、目の前には、いたずらっ子な笑みを浮かべる安堂くん。
「……なーんてね。
ひなちゃん面白いから、ちょっとからかった」
「えっ!?」