【完】好きになれよ、俺のこと。
ふぅ、と溜め息をついた時、仕切りの間からメイド服を着たクラスメイトの姿が見えた。
かわいいなぁ、メイド服。
でもきっと私じゃ似合わないんだろうなぁ……。
「ほら、飛鳥さん!
ぼーっとしてないで手を動かして!」
メイド姿のクラスメイトの姿をぼーっと見ていると、調理班リーダーの怒声が飛んできた。
「は、はいっ!」
ひ〜! 怒られちゃったぁ!
でもそうだよね。
私にはぼーっとしてる時間なんてないよね……!
調理に専念しなきゃ!
気合を入れ直し、コーヒーゼリーの用器に手を伸ばす。