【完】好きになれよ、俺のこと。


「俺さ……それで好きな子に告白しようと思ってるんだ。

だから、陽向ちゃんに来てほしいなって思ってさ……」




そう言う柊くんの瞳は真っ直ぐで、こっちがドキドキしちゃうくらいに真剣で。




柊くんの本気が、すごく伝わってくる。




そんな柊くんの恋の応援を、しないわけがない!




「もちろん、私も行くよ!」




「サンキュー!

俺、頑張るから!」




二カッと、白い歯を覗かせて笑う柊くん。




恋の応援なんて、初めて。




恋ってものを、こんなにも近くに感じるのも初めて。




だけど、誰かを好きになるって、こんなにも真っ直ぐで温かいものなんだって、柊くんを見ていたら分かった気がしたの。




「うん、頑張れ!」




ガッツポーズをしてみせると、柊くんは笑いかけてくれたけど、その後なぜか気まずそうな顔になった。




「……あのさ、陽向ちゃん」




いつもより、少しだけ暗い、戸惑いがあるような柊くんの声。




なんだか柊くんらしくないよ…?



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