【完】好きになれよ、俺のこと。


そして、声が聞こえたんだ───。




耳に飛び込んできたわけじゃない。


何故か胸の中に飛び込んできた声が───。




───え……っ?






私が尻もちをついたのと、鉄骨がガシャガシャンッッ…と無惨な音をたてて地面に落ちたのは同時だった。




あれ……。


私、無事だ……。




っていうか、さっき私のことを押したのって……。




訳が分からず、私は鉄骨が落ちた方に視線を向けた、




───その次の瞬間にはもう


その目は、こぼれんばかりに開かれ


心臓が不協和音を奏でて、暴れ狂っていた。




うそ……でしょ……?




「やだ……やだ……やだ……っ」
















だって、




だって……






何本もの鉄骨の下に、安堂くんが倒れていたのだから……。



< 237 / 417 >

この作品をシェア

pagetop