【完】好きになれよ、俺のこと。
私を鉄骨から庇った安堂くんが、頭から血を流していて……。
安堂くんは目を閉じて、ぴくりとも動かない。
どういう…こと……?
目の前の状況を理解できない。
「あ、……安堂、くん……?
ねぇ、安堂くん……っ!」
膝をつきながらも必死に安堂くんの元に近づき、震える声を張り上げ、呼び掛ける。
だけど、うつ伏せに倒れた安堂くんは目を開けてくれない。
「嘘でしょ……?
ねぇ、安堂くんってば……っ!」
やだっ……、これは夢だよねっ!?
お願いだから
大丈夫だよって
いつもみたいに笑って……っ。