【完】好きになれよ、俺のこと。
「叶翔は!?
叶翔は無事なんですか!?」
すぐさま先生に駆け寄る那月さん。
だけど、眉をひそめた先生の表情に、一瞬にして私の心は黒い雲に覆われた。
「オペは終わりましたが、まだ意識が戻りません。
内臓を損傷していて出血量が多く、非常に不安定な状態です」
「え……? 不安定って……」
「いつ、何が起きてもおかしくない状態だと理解してください」
「……!!」
先生の言葉に、私は思わず息をのんだ。
ガツンと鈍器で殴られたような衝撃が頭に走り、目の前が真っ白になる。
うそ……っ。
そんな……。