【完】好きになれよ、俺のこと。
心電図の音が鳴り響く病室。
真っ白なベッドの上に、安堂くんは横たわっている。
顔の傷も
呼吸器も
頭から足の先にまで、たくさんの管をつけられたその姿も
今の安堂くんは、見るのも辛いほどに痛々しい。
まるで、私の知っている安堂くんじゃないみたいで……。
ベッドの横にある椅子に座った那月さんが、安堂くんに話し掛ける。
「叶翔、ねぇ、いつまで寝てんの。
早く目、覚ましてよ……」
いつも強い那月さんの声が、震えていて……。
私は後ろからその姿を見つめることしかできない。
「陽向ちゃんのこと泣かせてんじゃねぇよ。
陽向ちゃんのこと守るんだろ……?」
あぁ……だめだ……。
涙が止まらない……。