【完】好きになれよ、俺のこと。
安堂くんの顔にかかった髪を、そっと除けた。
こうやって安堂くんを見つめていると、安堂くんとの思い出が蘇ってくる……。
「……ねぇ、安堂くん……。
あの時、声を掛けてくれてありがとう……。
出会ってくれて、ありがとう……」
安堂くんはキラキラしてて、もちろん周りにいる子もキラキラしてて。
私なんかとは住む世界が違った。
だけど、そんな私に、安堂くんは友達になろうって言ってくれた……。
あの日声を掛けてもらわなかったら、きっと私達が話すこともなかったよ……。