【完】好きになれよ、俺のこと。
それから月日は流れ、冬休みになった。
「よしっ…!」
部屋に掛けた全身鏡で、服装の最終確認。
きっと、大丈夫なはずっ。
それから、腕時計に目を向ける。
あっ、もうそろそろ行かなきゃ。
私は机の上に置いていたバッグを手に取り、急いで階段を駆け下りた。
その足取りは、自然と軽くなっちゃう。
なんてったって、今日はクリスマスイブ。
叶翔とデートの約束をしてるんだもん♪
「お母さん、行ってくるね!」
玄関のドアに手を掛けた時
「陽向!」
後ろからやって来たお母さんに声を掛けられて、思わず足を止める。
「ん? どうしたの、お母さん」