【完】好きになれよ、俺のこと。
────────……
それから私は歩いて、待ち合わせ場所へと向かった。
辺りはだんだん薄暗くなって、クリスマスだからか、周りにカップルも多くなってきた。
もうすぐ待ち合わせの時間。
叶翔待ってるかな…!
早く会いたい気持ちばっかりが先行して、歩く足を速めたその時。
「あれ? 君ひとり?」
え……?
突然後ろから声を掛けられて、反射的に振り向くと、そこには大学生くらいの男の人が2人立っていた。
あれ、叶翔じゃない…。
「ねーね、俺達と遊ばない?」
「へっ?」
わ、私?
お兄さん達は口の端を上げて、徐々に距離を詰めてくる。
この人達チャラチャラしてるし、ちょっと怖い……。