【完】好きになれよ、俺のこと。
陽向が事故に遭ったあの日から、俺は心に決めていた。
何があっても
君を守ると。
もうあんな目には遭わせない。
今度こそ、絶対俺が守るから───。
陽向の背中を勢い良く押した次の瞬間、凄まじい衝撃が身体全体に走り、俺の身体は否応無しに押し倒されていた。
……意識がぼーっとして、身体が動かない。
「あ、……安堂、くん……?
ねぇ、安堂くん……っ!」
遠くで微かに俺の名を呼ぶ、動揺しきった陽向の声が聴こえた。
あぁ……良かった……。
陽向は無事だ……。
やっと、君のことを守れた……。
束の間の安堵と共に、俺は意識を手放した───……。