【完】好きになれよ、俺のこと。
桜ちゃんを見送り、陽向が眠るベッドの方を振り返ると、陽向がちょうど目を覚まして起き上がったところだった。
『わ、私……』
キョロキョロと辺りを見回す様子を見ると、まだ、何が起きたか理解出来てないみたいで。
俺は、ベッドの近くに置かれた椅子に座った。
『寝不足で倒れたんだよ』
『えっ!? うそ!?』
『寝不足って、忙しくしてたの?』
そう訊くと、かぁぁっと頬を赤らめる陽向。
モジモジと恥ずかしそうに視線を揺るがせ、俯きがちに呟いた。
『い、忙しくっていうか、あの…告白のこと考えてたら、昨日一睡もできなくて……』
『……ぷっ』
俺は、思わず吹き出していた。