【完】好きになれよ、俺のこと。
* 気づいてしまった気持ち
次の日の放課後、俺は教室に残り、数人のクラスの女達と話をしていた。
土砂降りの雨が降っていたから。
授業中は晴れていたくせに、放課後前になってザーザーと降りだしたうるさい雨は、俺から帰る気力を無くさせる。
……傘持ってくんの忘れるとか、最悪。
雨が止むまでここで雨宿りしてるしかないなー。
『ねー叶翔ぉー。
昨日、飛鳥さんに告られてOK出したんでしょ?』
上目遣いで腕を絡ませてきた、同じクラスの女に俺は思わず訊き直した。
『え? もう知ってんの?』
陽向と付き合いだしたことは誰にも言ってなかった。
委員長だけにはバレたけど、仮にも陽向を好きな身であったあいつが、俺達が付き合ってることを言いふらすとは思えないし、いつの間に流れてたんだろう?
女の情報網は、やっぱりハンパない。