【完】好きになれよ、俺のこと。
『ずっと……待っててくれたの?』
……俺が他の女と話してる間も?
こんなに寒い中?
3時間以上待ってたの?
俺のことなんて放っておいて、さっさと帰ればいいのに……。
鼻、真っ赤じゃん……。
すると、陽向は頷いて笑った。
それは、寒さなんて感じさせないほど、屈託ない温かい笑顔で。
『だって、傘無かったら叶翔くんが濡れちゃうから』
『……っ』
……俺は、気づけば陽向を抱きしめていた。