【完】好きになれよ、俺のこと。
『さっきから、どうしたんだよ?
俺のこと避けたりして』
その答えを知りたいだけなのに
陽向は、困惑したように視線を泳がせる。
『ど、どうもしないよ?』
でもそのトーンと自信のない声から嘘をついてるのはミエミエで。
陽向、やっぱり変じゃね……?
『み、水飲んでくるっ……』
だから、嘘下手すぎ。
俺から逃げるように走り出そうとした陽向の腕を、グイッと掴んだ。
『か、叶翔くん……?』
『ちょっと来て』
陽向の腕を引き、俺は教室を出た。