【完】好きになれよ、俺のこと。
そんな日々を繰り返していたある日、俺は陽向の部屋にいた。
陽向の部屋にある俺との思い出のものを片付けてほしいと、おばさんに頼まれ、連れて来られたから。
前に来た時は、あんなに楽しかったのに、今はもうどんな感情も抱けない。
まるで何かを考えることも思うことも、やめてしまったかのように。
タンスの中の片付けを終え、ふと勉強机に目を向けた時、そこに置いてある一冊のアルバムを見つけた。
なんだ、これ……?
手に取ってみると、カラフルに装飾された表紙には
《叶翔&陽向 1周年》
と、よく見慣れた陽向の字で書かれている。