【完】好きになれよ、俺のこと。
次の日の昼休み。
いつものように、なっちゃんと机を合わせてお弁当を食べていると。
「そういえば、昨日の安堂くんとのデートどうだった?」
突然のなっちゃんの言葉に、私は食べていた卵焼きを吹き出そうになってしまった。
危ない、危ない…!
〝デート〟って単語は、何度聞いても慣れないみたい……。
「何さ、顔赤くしちゃってぇ!
もしかして、襲われたの!?」
「ち、違うよ!!」
お箸を握りしめ、慌てて顔をぶんぶん横に振って、否定する。
「だけど……からかわれちゃった」
「へ? からかわれた?」
「うん。
これ以上煽ったら、襲うよって……。
さすがプレイボーイって感じだよね」
そう言ってヘラヘラ笑っていると、なっちゃんがすごい勢いで溜め息をつき、肩をすくめた。
あれ?
なんで溜め息つかれちゃったんだろう?