【完】好きになれよ、俺のこと。
でも、心配してくれてるなら、安心させてあげないと。
「大丈夫だよ。
話聞いてくるだけだから。 ね?」
そう微笑みかけると、なっちゃんはまだ不安げな表情を残したまま、私の手を掴んでいた手をそっと放した。
「陽向がそう言うなら……。
でも、何かあったらすぐ帰ってくるんだよ?」
「うん! ありがと!」
私はお弁当箱をしまい、ドアの方へと駆けた。
「お待たせして、ごめんなさい!」
「あぁ、大丈夫よ」
そう言って微笑みを浮かべる女の人は、近くで見るとさらに綺麗。
ふと、女の人の胸のリボンが目に入った。
この学校は学年によって、男子はネクタイ、女子はリボンの色が違うんだ。
目の前にいる女の人は、青色のリボン。
ということは、2年生の先輩だ…!
先輩だなんて、なんだか緊張しちゃう……!