【完】好きになれよ、俺のこと。
そういえばこの人、さっきあんな可愛い女の子を振ってたのに、私なんかに何の用なんだろう……?
ま、まさか……恐喝ですか…っ!?
「フッ、なんて顔してんだよ」
恐ろしい想像にアワアワしていると、頭上から笑い声が降ってきた。
「へ……?
そんなすごい顔してました……?」
「してた。
っつうか、こんなとこで何してたの?」
な、何してたって……!?
告白を聞いてしまいましたなんて、そんなこと本人の前で言えないし……。
だけど……
ここは……謝っておくべきだよね……?
故意じゃなかったとはいえ、悪いことをしちゃったことには変わりはないし……。
「ご、ごめんなさい……」
泣きそうになりながらいきなり頭を下げた私に、安堂くんが驚いてるのが、頭を上げなくても分かる。
「は?
なんでひなちゃんが謝ってんだよ」
「だ、だってぇ……」
「…あー、そういうこと」
安堂くんは、察してくれたみたい。