【完】好きになれよ、俺のこと。
お見舞いに行った次の日。
学校に着くと、私のクラスの下駄箱の前で、安堂くんが壁に寄りかかって、私のことを待ってくれていた。
私と目が合うなり、パッと笑顔を浮かべる安堂くん。
その姿は元気そうで、心の底からホッとする。
『お見舞い来てくれてありがとう。
なのに、途中で寝るとかまじでごめん!』
『ううん!
元気になったみたいで良かったよ!』
熱にうなされていたみたいで、涙を流した時のことは覚えてないみたい。
それが良かったのか、悪かったのかは分からないけど……。
だってまだ、あの時流した安堂くんの涙を忘れられないから。
あの涙は、どうして流したの───?