今日、卒業した
得ては失い、失っては得る。

そのサイクルの中で、私達はすったもんだしながら、歩いているんだろう。

行き着く先なんて知らないまま、立ち止まったり戻ったり迷ったりしながら。
手探りで、がむしゃらに。



そして今日はひとつの、確かな区切りの日なんだ。

私達は“中学校3年間の完全なる思い出”を得て、“中学生という肩書き”を失った。



そっと、澄んだ青空の下に建つ、校舎を見上げた。


とめどめなく涙を流しながら、ずずっと鼻をすすった。





私は、あの子と一緒に卒業したかった。



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