世界は恋に落ちている。
ーージャリ
「…!?」
砂を歩く音、、
自分の方に近づいてきているのがわかる。
ーーカチャ
持っていたガラスの破片を一旦置く。
息を吸い、一言。
「…だれ。」
返事はない。
なんで話しかけてるんだろう、、
この人が誰だろうと、
関わることはないのだから。
警察に連絡されそうになったら、
ガラスの破片で脅せばなんとかなる。
こんなにボロボロの身体なんかでは逃げることなんてきっと
無理だろうから。
逃げたところで、すぐに捕まる。
この人を殺したところで、
きっとあたしの将来、、、なんて
ーー何一つ変わらないのだから。
あたしは、産まれてきてはいけない子。
あたしが何をしたって
ーー誰の瞳にも映りはしない。