偽りの自分。
“ミス”の立場。
星羅side
『新体育テストを始めます。
女子は50m走からやるわよー!』
先生が言う。
ここは校庭。
50m走なら、誰にも負けない。
自信がある。
『いくわよ。よーい!』
ピッ
先生の笛の音で、始まった。
目の前に誰もいない。
横目でも隣のコースを走る人がみえない。
ほら、あたしは今1位ってこと。
でも次の瞬間、
大きな風が吹き、一人の女子が通った。
吉野だ。