偽りの自分。
ガラ
教室の扉を開ける。
そしてあたしは目をつぶった。
『ミス~!ごめん、ノート写させて~』
『ミス~!』
色々な声がする。
この時が一番好きだ。
皆のミス、トップなんだ、って
安心するし。
やっぱり今となっては、人気は吉野より
高いのを実感できるみたいな?
やっぱり一番はあたし、
桜田星羅。
そう思い、目を開け、笑顔を作る。
『皆、おはよ~!!ノートなら写し......』
え?
女子達が、吉野の周りを取り囲んでいる。
男子達は、一人で喋るあたしを見て、
ヒソヒソ会話する。