偽りの自分。

そんなことを考えているうちに、授業は終わった。




『起立、礼。ありがとうございましたー。』



あたしが教科書を閉まっている間に、
既に吉野の周りには美香や雫などの女子達が
集まっていた。





『絵理花~、今日プリ撮りに行こっ』


クラスメイトの美鈴が言うと、
周りにいた子たちは頷く。



『オッケー!
それならさ、桜田さんも誘おうよ?』


吉野が笑顔で言う。


え。


『桜田....?呼ばなくて良いよー!』

雫が言った。


何それ。



『...あたしが何?』


あたしが後ろから言うと、雫は振り向いた。



『今日プリ撮りにいくんだけど、
アンタはバイオリンのお稽古でしょ?
いつも自慢されて、
ムカついてたんだよね。』


雫はあたしを睨みながら言った。


『今日は休むことにするからさ』


あたしが言うと、吉野以外の全員は嫌そうな顔をした。




『桜田さんとプリ撮りたーい!』

吉野が天使のような笑みを見せる。



『絵理花が言うなら、良いんじゃない?』
  

美香が言うと、
周りの女子は分かった、と頷いた。
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