偽りの自分。
『あたし、帰るね。
こんな最低な人たちだと思ってなかった。』
『は?最低なのは、アンタでしょ?
性格悪すぎ。』
美鈴の声がする。
構わずあたしがスタスタ歩き出すと、
後ろから、
『待って!』と吉野の声がする。
ほっといてよ。
泣きたいよ。
だけど...
泣いたら負けだ。
ミスとか、どうでもよくなってきた。
あたしが一番だったはずなのに、
人気者だったはずなのに、
吉野が現れてから、変わっちゃったじゃん。
友達も、彼氏もあたしの飾りで。
性格も、偽って。
あたしは確かに最低な奴だ。
友情も、愛情も偽りで、
本当最低なことした。