偽りの自分。
美香たちと別れ、
あたしは自分の家まで続く道を歩く。
辺りは真っ暗で、
スマホの時刻は18時30分ちょうど
を示していた。
吉野さん....いや、吉野.....。
二股してて、カイトにぶりっ子、
最低な奴.....。
優しくされたのも、皆にいい顔するためだったのかな?
考えたくないのに、そう思ってしまう。
«俺が今、好きなヤツは
性格良いヤツなんだ。»
カイトからのメールが頭に浮かぶ。
吉野のことだったんだ....。
そう思いながら、
横断歩道を渡ろうとしたとき、あたしは
見てしまった。
こちらへ渡って来る、
カイトと吉野を。
よく見ると、手を繋いでいた。