偽りの自分。
転校生。
『ミス~!転校生来るんだって!』
『どんな子か、気にならない!?』
朝、騒がしい教室の中で
クラスメイトの美香と雫が言う。
『うん。』
そう言ってあたしは作り笑いをつくる。
バカだなぁ。
転校生って言ったって、
どうせ普通な子でしょ?
ちっとも気にならないけど。
そう思っていると、先生が教室に入ってきた。
『転校生を紹介します。絵理花ちゃん、入って。』
…え?
先生に手招きされて入ってきたのは、小柄で
ツヤのあるボブヘアの女の子。
くりくりした二重で可愛らしい。
『すっげ、可愛いー!』
皆、歓声をあげる。
確かに、可愛いね。
でも、あたしには叶わない。
顔が可愛いからって、勉強と運動はできるの?って
話。