偽りの自分。


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中3のとき

美香side

「美香ー!次、移動だって。」


「....う、うん。」 


当時、暗くて地味だったあたし。


たった一人、
星羅だけがあたしの友達だった。


「何もたもたしてんのよ。
あたし、行っちゃうよ~?」


「ま、待って....!」

あたしは教科書を持って教室を出ていく。


「星羅....いつもごめん....。」


あたしは星羅に謝る。


「えー?なんで謝るの?」


そう言い、星羅は笑った。

あのときの星羅の笑顔は可愛かった。







だけど....


高校入ってすぐに星羅は変わった。



「星羅、今日からミスだよ~!
一年の中で、トップ!」


雫が教室で騒ぐ。


「アハハ、
ミスなんて呼び方誰が決めたの?」


「わからないけど、
もしも学年トップが男子なら...
ミスター?笑」


美鈴が笑いながら言う。


星羅が手の届かない人になった。


それからあたしは、
遠いところから見ていることしか
できなくなった。
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