偽りの自分。
あたしがやるべきこと。
放課後になってしまった。
美香たちに「ミスも来てよね?」
と言われ、仕方なく屋上にきた。
『あんたさ、何勝手に帰ろうとしてたわけ?
言ったよね?“放課後楽しみにしててよね”って!』
美香は吉野さんの方へ
どんどん歩いて行って、
吉野さんを屋上の柵の前に追いやった。
『だ、だって...』
『美鈴、吉野の鞄貸して。』
美鈴は床に置いてあった吉野さんの
鞄を取り、美香に渡す。
皆は美香の後ろにいるけれど、どうしたら良いのかわからずに
あたしは屋上の入口前に突っ立っている。
鞄....何すんの?
もしかして....屋上から落としたりして.....!
『ほーら!!』
『...あっ!』
鞄が地面にドンッと落ちる。
『鞄落ちちゃったね~?
どうすんのかなぁ~?』
美香が言うと、周りの皆は爆笑する。
こんなときに何もできないあたしは最低だ。
でも、本音を言うのが怖い。
『ひどいよ....!やめてよ.....っ.....』
とうとう、吉野さんがしゃがみこんで泣き出した。
『高1にもなって泣くとかw』
『泣けばやめてもらえる訳じゃないよー?』
皆からは色々な声が聞こえる。