偽りの自分。
『皆!』
あたしは思わず大きな声を出してしまった。
『何?どうしたの?』
吉野さん以外の皆がこちらを向く。
ここではっきり言わなきゃ
いけないんだけど、怖い。
“絶交だから”
美香が美鈴たちに言った言葉が頭をよぎる。
絶交なんて、嫌だ。
『あっ...なんでもない....!』
言ってしまった。
『そう、てかミスはなんでそこにいるの?』
美香に言われる。
『え?いや…』
『あっ、早く帰んなきゃじゃん!
もう暗くなってきたし!怒られる!』
突然、美香が入口に向かって歩き出す。
つられて吉野さん以外も、鞄を手にする。
『ってことで吉野も早く帰んなきゃだよっ!
バイバーイ』
美香が言ったあと、
周りの皆もクスクス笑って
美香が屋上の扉を開ける。
バタン....
扉が閉まった。
あたしと吉野さんは今二人きり。
どうすれば良いのー!?