偽りの自分。
『ただいまー』
あたしは家のドアを開ける。
『星羅さんおかえりなさい。
遅かったね。どうしたんですか?』
石田さんが玄関で言う。
『...色々あって...。』
あたしは静かに言いながら、靴を脱いで
家に上がった。
『星羅さんは...“ミス”ですよね?』
石田さんは突然言う。
『ミス?なんで知ってるの?』
あたしはたずねる。
『私も出身校同じだし、ミスだったのよ。』
『え!石田さんミスだったの!?』
あたしが大きな声を出す。
『そうですよ。
でも、そのことで悩んだりした。』
『悩み...?』
『星羅さんもあるんでしょ?
ゆっくりお話しましょ。』
石田さんはリビングへ向かった。
悩み....。
石田さん、なんで分かるの?
石田さんも
ミスだったときに悩んだみたいだし、
あたし、打ち明けてみようかな...!
そう思い、あたしもリビングへ向かった。